<内容>
クリスマスを間近にひかえた地方都市クレルモン=フェラン。敬虔なカトリック信者の青年技師が、教会のミサで見かけた女性に一目惚れ。彼女こそ自分の妻となる女性だと確信する。その数日後、14年振りに再会した旧友ヴィダルに誘われ、ある家を訪れる。そこにいたのはモードという離婚経験のある美しい女医だった。哲学、キリスト教、結婚などについて話が弾む三人。やがて夜がふけヴィダルは帰ったが、彼は言われるがままモードの家に泊まることになる…。
<見どころ>
ヌーヴェル・ヴァーグの代表作家エリック・ロメールによる“6つの教訓話”シリーズ3作目。シリーズ共通のテーマである、“一人の男性が二人の女性に挟まれ、最後には一人の女性を選ぶ”という物語をもっとも鮮烈に描き出した。
60年代ロメール作品の中でも最も成功した作品で、彼の名が国際的に知られるきっかけになった。ロメールらしいさりげない日常の微妙なニュアンスをすくいとっていく描写が見事。それを支える洗練された美しいモノクロ映像を生み出したのは、ロメールとの名コンビでも知られる撮影の名手ネストール・アルメンドロス。フランスを代表する名優ジャン=ルイ・トランティニャンの優柔不断ぶりも絶妙。モード役はジャック・ベッケル監督の妻でもあるフランソワーズ・ファビアンで、娘役には二人の間の実の娘マリー・ベッケルが扮している。
なお、「男と女」の大ヒットで売れっ子だったトランティニャンの都合で本作の撮影が延期となり、公開はシリーズ4作目「コレクションする女」より後となった。
<受賞歴>
1969年カンヌ国際映画祭 国際カトリック映画事務局賞
1970年度全米映画批評家協会賞 脚本賞
1970年度ニューヨーク映画批評家協会賞 脚本賞