<内容>
精肉工場の青年経営者、音楽家への夢に破れたピアノ調律師、あどけなさの残る売春婦。深夜のバーで偶然出会った2人の男と1人の女が、職業を偽り架空の話を語り合う。そして、2、3杯を酌み返した後、それぞれ“本当の”生活へ戻っていく3人の物語を映画は綴り始める――。
工場経営者の男は、マンションで執拗に息子の世話をする潔癖症の老父と、窒息しそうな想いを爆発させそうにしながら暮らしていた。ミュージシャンになる夢を捨てて短絡的に生きていた調律師の男は、バーからの帰り道に殺人の容疑で突然逮捕されてしまう。そして売春婦は、姉の訃報を受け廃棄物と朽ちた家が並ぶだけの荒野の故郷へ戻り、未来のみえない村の現状を改めて目の当たりにしていた。全く違う経緯を辿って生きる3人を描きつつ、<そこに見えてくるのは、曇天の空のような閉塞感と、若い彼らを呪縛し続ける先の世代の老人達の依存と退廃に対する絶望感…。モスクワのバーで彼らが他人相手に聞かせたあの戯言の架空の人生。それは自分自身のために語った夢物語だったのかもしれない。
<見どころ>
2005年、ヨーロッパ映画協会や多くの映画祭で最優秀新人監督賞にノミネートや受賞を果たした本作は、イリヤ・フルザノフスキー監督のデビュー作。脚本は現代ロシアを代表するポストモダン作家のウラジミール・ソロキンが担当。
<受賞歴>
2005年 ロッテルダム国際映画祭 最優秀新人監督賞
2005年 シアトル国際映画祭 最優秀新人監督賞
<2008年9月の放送予定>
9月5日 26:50
9月16日 25:10